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初の翻訳詩集「シュレーディンガー詩集 恋する物理学者」

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帯なしバージョン 帯ありバージョン 初の翻訳詩集「シュレーディンガー詩集・恋する物理学者」が出版されました! ぜひ、お手に取ってくださるとうれしいです。 書肆侃侃房のページはこちら (楽天、Amazon、紀伊國屋などのリンクがあります) 毛利一枝さんの装幀も素敵で、良い本になったなと感慨深いです。 私の力不足もあり、多少難解で癖の強い訳文になっていますが、一行でも、皆さまの気に入る部分がございましたらうれしく思います。 第I章はドイツ語で、第Ⅱ章は英語で書かれています。シュレーディンガーはオーストリア出身のため、ドイツ語が母語です。しかし母方の親戚がイギリスに住んでおり、彼が10歳の頃にはイギリスを訪れ、母親はシュレーディンガーと英語で話すなどしていたようです。また、ノーベル物理学賞受賞の知らせを受けたのは、約3年間のオクスフォード大学在籍時でした。アイルランドのダブリン高等研究所には1940-1956年の約16年間在籍しています。 シュレーディンガーは1949年、62歳で、生涯で唯一となる詩集を出版しました。 二度の世界大戦を越え、激動の人生を歩んだシュレーディンガーの作品は、一篇のなかでさえ、起伏に富んでいます。彼の、時に気高く高邁な、時に絶望を含む爛熟したポエジーを、できるだけ簡潔な表現に映すよう心がけたつもりです。 ぜひご一読いただきたい詩篇は「報われる」、個人的にいちばん好きな詩篇は「チューリヒ」です。 【あとがきより】 この日本語訳は、吉川千穂さん、滝口智子さん、金菱哲宏さんのご協力がなければつくることができないものでした。それぞれの心強いご尽力に深く感謝します。本書をあたたかい眼で送り出してくださった、田島安江さんをはじめとする書肆侃侃房のみなさま、芸術的な装幀をしてくださった毛利一枝さんに心より感謝申し上げます。 そして、私をいつも支えてくれる家族、詩人、友人、職場のみなさまに、深く広がるこの空一杯の感謝を捧げます。